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<九つの詩篇>
作 花林糖
奇跡
今ここにいる
当たり前なようだけど
それは奇跡の連続だ
広い広い地球という星の
たくさんある世界の中の
一つの日本に生まれた
そして今まで色々なことを
経験して
今ここにいる
もし一つでも違ったら
今ここに自分はいない
違う人がいる
当たり前かもしれない
たくさんの奇跡が重なって
今ここにいる
なんだか不思議に思えてきた
ふつう
普通の人ってどんな人
なんだろう
どこからが普通でどこからが
普通じゃないのかな
その基準はなんだろう
きっとその基準は
自分自身で決めてるいる
だから普通は人によって違う
普通の人って案外
いないんじゃないかな
名のない草
名のない草が風でゆれる
本当はちゃんと名があるけれど
「雑草」といわれる
スミレやひまわりと同じ草なのに
きれいじゃないから
かってに生えてきたから
それだけで本当の名で呼ばれない
そして無残に抜かれてしまう
ほんの少しの違いなのに
なぜ比べられ悪いと差別される
同じ草なのに
同じ人
自分という人間
世界でたった一人しかいない
まったく同じ人なんていない
世界中探しても
世界中の人々がみんな
少しずつ違う
見た目や性格だけじゃない
進んできた道がみんな違う
まったく同じ人ばかりいたら
きっとつまらない
考えることや思っていることが
自分と同じだから
違う人が集まってるいるから
楽しいんだ
アース
自然ってなんてすばらしいんだろう!!
ずっと昔から今までここにある
大きくて高い山
静かにそして激しく流れる川
優しく吹いている風
その風にゆれながら咲いている花
がんばって生えている草
どれか一つでもかけたら
すばらしい自然はない
誰も何もしないのに
自然は壊れない
ずっと昔からそうだった
人間が必要以上に手を加えると
きっと自然はなくなるだろう
時
時はいつも流れている
一秒、一秒がとても長く
ゆっくりとてもゆっくり
そんな風に流れたり
自分でも気がつかないくらい
早くとても早く
そんな風に流れたり
でもいつも時は同じ
変わらない
ずっとずっと変わらない
私達は時が早く流れたり
ゆっくり流れたり
そんな風に思えるけど
私達がそう思っているだけ
時は流れてる
同じように流れてる
パズル
一つのピースが
足りないだけで
パズルは完成しない
たった一つ足りないだけで
パズルだけじゃない
たった一つ足りないだけで
完成しないもの
一つ一つが大切な役割がある
たくさんあるそういうものは
そういうものは複雑
まるでパズルのように
鏡
鏡に映っている姿
それは自分の姿?
それが本当の自分の姿?
鏡に映っているから
自分の姿なんて思っている
鏡に映っている姿
自分じゃないかもしれない
かってに自分で決めた姿
もしかしたらその姿は
別の人の姿かもしれない
ほら自分じゃ笑ってないのに
鏡の自分は笑ってる
本当にその姿は自分の姿?
二つの思い
大切なもの
守りたいもの
その二つは同じ物
大切だから守りたい
守りたいほど大切
大切じゃなければ
守らない
守りたくなければ
大切じゃない
その二つの思いが
無ければそれは
大切なものでも
守りたいものでもない
ただ大切って思ってるだけ
守りたいって思ってるだけ
それだけのもの